七味は日本を代表する調味料の一つです。
近年では海外でも有名になってきています。
実は、日本人が古くから親しんできた薬味の一つでもあり、約400年前から慕われ、現在でも蕎麦や丼にもよく使用されていますよね。
しかし、改めて見てみると、「薬」という文字が入った調味料であり、薬としての意義はあるのだろうかと疑問に思いませんか?気になりますね。
そこで今回は、七味唐辛子の歴史、「薬」の名前の由来、日本の三大都市について紹介したいと思います。
七味唐辛子は、なんと豊臣秀吉の時代から
七味唐辛子は、唐辛子を中心にいろいろな香辛料を使ったスパイスですよね。七味唐辛子の心臓部である胡椒は、大航海時代、コロンブスが世界一周中に胡椒に出会い、ヨーロッパに持ち帰ったことから誕生しました。
原産地は南米や東南アジアのものもあり、インドなど香辛料が盛んな地域で栽培され、次第に世界中に広まりました。ポルトガル人宣教師によってもたらされた説、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際にもたらされた説など諸説あるが、おそらく1500年代には日本にもたらされていたとされています。
そして、日本で最初に七味唐辛子を売り出したのは、東京の薬研堀が初とされています。
ではなぜ七味唐辛子は、「薬」と呼ばれるのでしょう?
七味唐辛子を作る目的は、漢方薬として使うためだったと言われています。
中国ではケシの実や麻の実は栄養価が高いので漢方薬として使われており、日本で作られていた頃は風邪薬などの漢方薬として、人のために特別に調合されていたと言われています。
東京の薬研堀が最初に作った七味唐辛子は、その後、長野県の善光寺や京都府清水の七味屋本家にも広まりました。
食文化は地域によって異なるため、出汁の濃い東洋では辛い七味唐辛子が好まれ、薄味で食文化が栄えた京都では辛さよりも風味が重視されたそうです。
そのため、関西の七味唐辛子は、シソや山椒など香りに特徴のあるものが選ばれ、現在でも多くの七味唐辛子が使われている。
七味唐辛子の香辛料としては、唐辛子、山椒、長命草などが一般的である。
唐辛子には発汗や血行を促進するカプサイシンが含まれているので、ちょうど体を温めて発汗作用をする風邪薬として使われていました。
また、山椒は風味成分が強く、出汁との相性がよく、陳皮はビタミンCが豊富で、美肌効果や免疫力アップの効果があると言われています。ちなみに陳皮はミカンの皮を使ったものですが、お店によってはミカンの皮の代わりに柚子の皮を使った「柚子七味」というオリジナル商品もあるそうです。
三大七味都市はどこ?
前述したように、七味唐辛子が発達したのは東京、長野、京都が三大七味と言われています。
観光でこの3都市を訪れる際には、食べ比べをして、お好みの七味唐辛子を味わってみるのも面白いかもしれませんね。また、この3都市が七味の人気スポットとなった理由も注目されています。
実は、この3つの都市には、お寺にまつわる共通点があるのです。
東京の浅草、長野県の善光寺、京都の清水など、お寺のある場所はたくさんあります。カプサイシンは、修行僧が修行中に冷えた体を温めるために使ったと言われています。
そのことより、冷えた体を温めるために修道士に好まれたことは確かです。
また、京都ではうどん文化が七味唐辛子と相性が良く、東京ではそば文化が漢方薬に加え薬味として七味を好むようになっていきました。
七味唐辛子の調味料は7種類だけとは限らない
「七味」という名前からして、7種類のスパイスを使用しているようだが、実際には店によって使用するスパイスの数は異なることもあります。
店によっては8種類、唐辛子や焼きトウガラシを使うところもあります。
ですが、8種類のスパイスを使用しても八味唐辛子とは呼ばないので注意しましょうね。
七味唐辛子を自分でアレンジするお店などもありますので、自分だけの特別な七味唐辛子を作るのも楽しいですよね。
最後に
いかがでしたか?七味唐辛子の普及は、意外にも日本の歴史と深い関わりがあることにお気づきでしょうか。
コロンブスの時代から日本との関わりがあったことを知ると、七味唐辛子を見る目が変わってきますよね。
七味唐辛子の3つの主要都市を訪れる際には、日本の食文化の過去とその普及を感じながら、旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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