おせち料理を作ったり大掃除をしたりお正月の準備はやることがたくさんありますが、そのひとつに鏡餅を飾るというのがあります。
大小の丸いお餅を重ね、その上にみかんを乗せた鏡餅は「三種の神器」のひとつである鏡をお餅で表したものです。
鏡には神様が宿ると考えられており、鏡餅は昔から正月には欠かせないもののひとつでした。
年神様は鏡餅に宿ると言われています。
そんな鏡餅、食べる時はどのようにしていますか?
縁起物である鏡餅は扱いにも伝統的なしきたりがあります。
一年の始まりを気持ちよくスタートさせるためにも、やってはいけない事を知っておきましょう。
鏡開きでやってはいけないこと!包丁の使用はタブー
鏡開きとは鏡餅を食べるために割ることです。
なぜ「割る」や「切る」ではなく「開く」なのでしょうか?
鏡餅を刃物で切ることは切腹を連想させるため、縁起が悪いとされ避けられていました。
これは鏡開きが武家から始まった行事だからといわれています。
そのため鏡餅は木槌や手で割るのです。
しかし「割る」も縁起のいい言葉ではないため「開く」という言葉を使い、鏡開き、と言われるようになりました。
昔の人たちは言葉ひとつひとつを大切にし、意味を込めていたんですね。
鏡餅は年神様が宿る大切なもの、その扱いひとつにもこころを込め、一年を無事に過ごしたいという願いが込められているのです。
昔の人々のそんな願いが今にも伝わり、受け継がれているのです。
鏡開きでやってはいけないこと!喪中の時は?
喪中は故人を偲ぶ期間です。
最近はあまりこだわらなくなってきたとはいえ、昔からの考え方は今も根強く、祝い事は避けた方がいいとされています。
鏡餅や正月飾りも飾らない方がいいとされ、基本的にはひっそりと過ごす場合が多いものです。
そんな喪中ですがもし、鏡開きをすることになったらどうすればいいのでしょうか?
基本的に鏡開きは喪中の人は行いません。
年神様が宿る神聖な鏡餅が穢れるとされているからです。
厳密には神職にお願いし、清めてもらってから食べるとされています。
それでも現代ではそこまでこだわらず、鏡開きとしてではなく普通のお餅として扱えば大丈夫という考え方もあります。
これは自宅に限ってのことで、仕事場や行事などで鏡開きをする際はもちろん鏡開きはしないでおきましょう。
正しい鏡開きのやり方
年神様が宿った鏡餅を食べ、年神様の力を分けてもらい無病息災を願う行事が鏡開きです。
つまり鏡餅は飾るだけでは意味が無いんですね。
美味しく食べて鏡餅の意味があるといえます。
最近ではプラスチックの鏡餅の中に個包装の餅が入った便利なものもあります。
それでも正しい鏡開きのやり方をしっておいて損はないでしょう。
鏡開きは関東では1月11日、関西では15日に行います。
先ほど書いたように鏡餅に刃物はタブーです。
そのため、木槌などで叩き割るという方法があります。
鏡餅は固くなかなか割れない場合がありますが、端から何度も叩いていくと細かく砕けます。
乾燥が足りないと割れにくいため、風通しの良いところに置いて乾燥させてから割ってもいいでしょう。
木槌があればいいのですが無い場合は手でちぎります。
水に浸けた餅を耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで温めます。
電子レンジで1分ほど温め柔らかくなったら手でちぎります。
柔らかさが足りない場合は追加で加熱しましょう。
この時加熱しすぎるととろとろになってしまうので様子を見ながら加熱しましょう。
熱いのでやけどに注意です。
市販の鏡餅は真空パックになっているので割るには乾燥がたりません。
そのため電子レンジで柔らかくしてちぎるほうがおすすめです。
また市販の小さい鏡餅の場合は割ったりちぎったりしなくても、そのまま電子レンジで温めたり、焼いたりして調理してもいいでしょう。
また鏡餅にカビが生えていることがあります。
その場合はカビの生えている部分を取り除きましょう。
鏡餅はどう料理する?
無事鏡開きがすんだ鏡餅ですがどのように料理すればいいのでしょうか?
特別な調理方法や食べ方があるのでしょうか?
鏡開きした餅はお雑煮やお汁粉で食べる場合が多いようです。
会社に飾っていた鏡餅をお汁粉にして振る舞ったり、地域の皆でお汁粉を食べたりすることもあります。
ですが必ずお汁粉やお雑煮でないといけないわけではありません。
普通の餅と同じように好きな調理法で食べましょう。
ただ鏡開きした餅は細かく砕けることも多いため調理方法にも限界があるようです。
お汁粉やお雑煮以外にもグラタンにしたりお好み焼きの具にしたりアレンジは自在です。
細かくカットして天日干しし揚げて手作りのかき餅も美味しいのでおすすめです。
大量にあって消費しきれない餅は冷凍保存もできます。
チャック付きビニール袋に密封すれば3ヶ月ほどもちますよ。
おわりに
縁起物である鏡餅は1年の無病息災を願って食べるもの。
正しく調理して新しい年を迎えたいですね。
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