一年が経つのは早いもので、夏が終わったかと思ったらあっという間に涼しくなってきました。
これから冬になりますが、雪の降る地域にとって冬は大変な季節ですね。
雪が降り始めるといつの間にか家の屋根にできているのがつららです。
屋根からたくさんのつららが伸びているのを見たことがあるでしょうか。
屋根から伸びるつららは凶器のようです。
気温が高い日はぽたぽたと溶け出し、屋根の雪と共に落ちてきて大変危険です。
ところがよく見るとつららができる家とできない家があるのに気づくでしょうか。
なぜできる家とできない家の差が生まれるのでしょうか?原因は?
また防ぐ方法はあるのでしょうか?
今回は厄介なつららについてお話します。
Contents
つららができる家とできない家の違いは?
同じ冬なのになぜかつららがたくさんできてしまう家と全くできない家があります。
また同じ家でもつららのできる屋根と全くできない屋根があることに気づく方もいるのではないでしょうか。
なぜそのような差が生まれるのでしょう。
簡単にいうと、家の断熱がしっかりできているとつららはできにくく、断熱がされていないとつららはできやすくなってしまいます。
そう聞くと、自分の家はつららができているか確かめたくなりますよね。
つららの有無で断熱がしっかりされているのかどうかがわかってしまうのです。
よく見ると確かに昔ながらの古い住宅はつららが下がっている場合が多いことがわかります。
まだ断熱設備がしっかりしていなかった時代に建てられた家だからです。
逆に最近の断熱効果の高い住宅はつららが少ないのです。
それでも新しい住宅でもつららができる家もあります。
その理由を探っていきましょう。
つららができる原因は何?
つららができる原因は主にふたつあります。
つららができる原因 断熱がしっかりしていない
ひとつは先ほども書いた断熱がしっかりしているかどうかです。
つららは氷です。氷となる水分の元は屋根の雪です。
屋根に積もった雪が溶けて少しずつ流れ、屋根から伝って落ちる時に外気に冷やされ凍ります。
それが少しずつ繰り返されることによって大きなつららができるのです。
自然ってすごいなぁ、と思わず思ってしまいますね。
その時、断熱が天井までしっかりされていると家の中の暖かい空気が屋根に伝わりにくく雪が溶けません。
雪が溶けないのでつららもできないという訳です。
断熱がしっかりされていない家だとどうなるでしょうか。
部屋で付けている暖房の熱が屋根に伝わります。
つまり部屋の熱が天井から屋根に逃げている状態です。
そうすると屋根の雪がすこしずつ溶けだし、つららを作る原因になるのです。
同じ家でもつららができている屋根とできていない屋根がありますが、暖房を付けている部屋と付けていない部屋の差だったりします。
つまり、暖房をつけている部屋はつららができ、付けていない部屋はできにくいという訳です。
せっかく部屋を暖めている熱が屋根から逃げていたとしたらショックですよね。
つららができる原因 部屋の日当たり
つららができる原因のふたつめは部屋の日当りです。
屋根の雪を溶かす原因として太陽の熱があります。
雪国でもお日様が出て暖かい日は雪がぽたぽたと水になって垂れてきます。
それが外気にさらされ凍り、つららになるのです。
日当りのいい部屋の屋根はつららができやすいようです。
屋根までしっかり断熱されていても、太陽が雪を溶かすのは防げないですね。
同じ家でも、断熱のしっかりした家でも日当りがいい部屋の屋根だけつららができるということがあるのです。
「すが漏れ」によって家屋を痛める事も
このつららですが「すが漏れ」という家屋を痛める原因にもなります。
大きなつららができると溶け出した水分が流れて行かなくなり、
雨漏りのように家屋にしみ出してしまうことがあるのです。これがすが漏り、すが漏れという現象です。
大きなつららができる場合は、このすが漏れしていないかも注意した方がよさそうです。
屋根のつららを防止する方法
つららは取っても取っても繰り返します。
また取る際は危険ですし、窓や家屋を傷付けないよう気をつかいます。
軒下を通るときは危ないですし非常に厄介なものです。
そのつららを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
つららの原因は雪にあります。
その雪をどかせばいいのですが雪国ではこれが重労働です。
雪は殆ど毎日降りますし、朝雪下ろしをしても夜のうちに積もり、また30センチも50センチも積もることもあるのです。
また屋根の雪下ろしは大変危険で、毎年雪に巻き込まれ落下する痛ましい事故が何件も発生しています。
このことから雪を下ろしてつららを防ぐのはほぼ不可能でしょう。
考えられるのは天井の断熱を見直すことと、屋根の雪を溶かす融雪工事をするということです。
天井の断熱は長い目で見れば電気代節約、すが漏れを防ぐという点でお得かもしれません。
暖房を付けているのになかなか部屋が暖まらない、暖房の温度をかなり上げないと温まらないなど他の悩みがある場合は考えてもいいかもしれませんね。
屋根の融雪工事は熱で雪を溶かしてつららをできなくさせるものです。
こちらも大掛かりな工事が必要になってきます。
つららのできる部分だけ融雪設備を付けることもできます。
通学路で子どもが歩く道路に面した屋根につららができるなど、重大な事故になる場合にはこちらの融雪設備を
検討してみてもいいでしょう。
おわりに
今回は雪国ならではのつららの問題について調べました。
雪国にとって冬は長く厳しいものです。
どうか皆さん安心、安全に冬を乗り切れますように、今回の記事が参考になればと思います。
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